【大学院ゼミ】ポスト・ボイヤーの大学教授職論研究11  Zhai 担当

Bowden, Randall G. 2007. “Scholarship Reconsidered: Reconsidered.” Journal of the Scholarship of Teaching and Learning, 7(2): 1-21.

『学識再考』に関する再考(Scholarship Reconsidered: Reconsidered

Randall G. Bowden

要約:Gaoyan Zhai

1990年にボイヤーはファキュリティの役割を四つの学識に分類した。この四つの学識(scholarship)は発見(discovery)、統合(integration)、応用(application)、教育(teaching)である。本論はこの教育の構成を七つの研究アプローチを基に調べた。これらのアプローチは、意図(purpose)、背景、前提(premise),概観、分析と結論、含意(implications)、提案(recommendation)である。意図は教授の学識(scholarship of teaching)の背景を形成した。この背景は、学者たちが優位なこととして、教授から研究基盤としての「教授の学識」を分離すべきこと、を簡単に概略した。前提は、「教授の学識」を「教授の行為」として正確に問題解決するとみなす事である。概観部分で、現在主要な「教授の学識」に関するモデルと発展が検討された。分析は学識の概観における有益な結果として認められている。学識の概観と同じように、分析によって深い意味合いが生じた。この論文は、ボイヤーの教育、研究とサービスから四つの学識理解に新しい解釈を加えた。結論の提案で教育の行為における卓越性のモデル構築に必要な次の課題をさらに提唱した。

 

l  背景

1.より専門的・上位的な方向:Carnegie Academy for the Scholarship of Teaching and Learning(CASTL) の設立

1) PEW National Fellowship Program for Carnegie Scholars

2) Lilly Foundation(ファキュリティ・ラーニング・コミュニティ

 

2.訓練(disciplines)と習慣から教授の学識の向上を図る。学者的な教授(scholarly teaching)理解から「教授の学識」を分離する。

 

l  前提

現在、教授の優位性を推進する傾向があるが、「教授の学識」は研究機能として見られている。ボイヤーは「教授の学識」が研究と同じ地位で平等的に評価されるべきであると強調したが、大部分の学者は「教授の学識」を実践の対面的な研究だと誤認している。

 

l  概観

「教授の学識」がカナダ、英国、オーストラリアとアメリカ合衆国の世界範囲に広まった。Shulmanは1999年に、「教授の学識」の研究アプローチの傾向を整理した。彼は3つの領域での分界線が必要だと述べた。1.批判的・評価的な教授過程。2.利用できるコミュニティの基盤、3.前述したものを利用し、人々が独自に研究する事が出来、且ついくつかの教授モデルもある。

1.    教授の学識モデル(Scholarship of Teaching Model, SofT)

これは、ファキュリティが内容(問題の叙述)・過程(問題解決の方法)・前提(問題の基礎)の反映から、知識を取得し、変形学習(transformative learning)理論により、理論的に構築されたものである。

2.Trigwell,  Mratin,  Benjiamin, とProsserモデル

3.訓練モデル(Disciplines Model)の分析

4.教授の学識調査(Scholarship of Teaching Inventory)

5.教授><学習連合TMモデル

6.再考

 

l  分析と結論

ボイヤーの著作を対象に、以下の二つの方法で分析した。

語彙統計(Lexical Statistics):単語分析による統計

修辞学分析(Rhetorical Analysis)

修辞学分析における問題への回答(Answering the Questions of Rhetorical Analysis)

 

l  含意

多くの批判は自分自身から生まれたものである

教授の研究を推進することでファキュリティの従業員たちを支援することが重要であるが、ボイヤーの支持者や他の学者たちは優位的な教授観を支持している。

学術的なものは、すでに良いものを対象としている。

年代の変遷に伴い、ボイヤーも自分が作った学識概念を再考すべきである。

 

l  提案

推進と保守的のように、どのように教授、研究、サービス(或いは一点)、発見、応用、統合、及び機関・市民の責任を統合する為に、より多くの作業が必要である。

教授の学識を定義し・推進するために、発展しているモデルと方法の概観が必要である。さらに、何が教授であるのかを明らかにすべきである。