□4/24の発表と質疑
・「教養」と「専門」
– カリキュラムとしての「教養教育」と,日本における「教養」という語の関係をどのように捉えるか
→1946年ごろ,「一般教育」という語が出る前に「一般(的)教養」という語が出てくる
→「一般(的)教養」という語が何を指すのかを考える必要もあるのでは?
→「一般教育」との隣接/断絶:旧制高校・帝大の文化を見たうえで
-「新しい」/「かつての」教養とは?
→「力」概念/古典等の読書に由来するもの
・スキル/コンピテンシーと教養
-「知の脱文脈化」「パッケージ化」「シミュレーション化」とは?
– 転換点はどこ?
→2002年答申から
-「双方向の関係」の状態,どちらが主導権を有している?
→対等な関係というよりは社会側に主導権がある
-新しい教養を担う機関として,「教養研究センター」等の存在
-「リテラシー」と「スキル」/「コンピテンシー」の関係をどのように捉えるか
・「教育基本法における「教養」」
→政策文書における「教養」という語の用いられ方の事例
-「教養」/「文化」/「知識」の使い分けの法則はあるのか?
→議事録では,「知識」を超える何かを含むため「教養」を用いるべきとの意見
→「教養」に「知識」と「能力」が内包
→ “literacy”という語との関係にも注目すべきでは?
-「基本法」の法学上の位置
□他の意見・情報
・海外でのジェネリック・スキル概念(オーストラリアの事例など)
・メディア・リテラシーとの関係
→「リテラシー」という語には「積極的に参与する」というニュアンスが含まれる
・ここまで出てきた各トピックが,なぜ問題になるのか?
→実際に生じている「教養」に関する問題との関連がまだ希薄
□第3回(5/1)の課題
・M2以上の参加者は各自,以下の諸点についてA41枚程度のレジュメにまとめ,1人5分程度で発表する
1) 現在の日本の大学教育について,何が最も問題であると考えるか
– 各自が最も問題であると感じることを一言で表現し,そのうえで説明を付すこと
– その問題が生じているとする根拠を提示すること
2) 上記1)がなぜ問題か
3) 上記1)が,「教養」とどのように関連するか
– 昨年度の研究の継続としてでも,昨年度とは全く別のものでも可
– 昨年度の研究の継続として行う場合は,その概要も合わせて説明すること
□付記
・「教養」という語は必ずしも大学教育のみに完結するものではないが,本年度はさしあたり,「大学」という制度と関連付けた問題関心の設定を行うこととする