日本哲学会第74回大会(2015年5月16−17日@上智大学)

(久しぶりの投稿になりますが、、、)

日本哲学会の「学協会シンポジウム:教養教育—その歴史と課題」に、教育思想史学会・教育哲学会を代表する形で発表します。ここ数年、教育学関連諸学会の連携の仕事に携わってきましたが、今回は「教育学」の枠を超えた試みです。貴重な機会を与えていただいた日本哲学会および上智大学教育学科(研究科)に感謝致します。有意義な議論が展開できればよいのですが。

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京都

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立命館大学・朱雀キャンパス

2つの台風の襲来に象徴されるように、今年の10月は文字通り怒濤のごとく駆け抜けていった印象だ。個人的にもこの10月は、教育思想史学会の大会があり、その前後に隔週で京都出張が3度。同志社大学(日本デューイ学会)、京都大学(E. FORUM 教育研究セミナー)そして立命館大学にお邪魔した。いまに始まったことではないが、やはり京都の大学は元気がいい。月並みで今どきな言い方になるが、ローカルとグローバルがうまくコラボレートされていると思う。それは京都というまちの特性にも大きく拠るものだろう。

10月最後の京都出張は、立命館大学の大学行政研究・研修センター「大学アドミニストレーター養成プログラム」での講義。いわゆるSD研修である。先駆的・包括的・体系的な大学(幹部)職員養成のプログラムとして噂にはきいていたが、実際に参画させていただく貴重な機会をいただいた。大学のガバナンス・アドミニストレイションにおいて、従来の教員/職員枠組みを越えた第3の専門職性をどのように構成してゆくのか。日本の大学の大きな課題のひとつである。

教育思想史学会第24回大会(2014.10.11-12)

2014-10-11 09.16.03少し日数が経過してしまったが、先週末、教育思想史学会の大会が「無事」開催された。台風の襲来も予想されたが、天候にはなんとか恵まれた。記録をよく調べてみる必要があるが、大会参加者総数は154名と、これまでになく多くの方に来場いただいた。感謝!

昨年から慶應義塾大学・三田キャンパスを会場とすることになって、学会史上はじめての試みであるが、第1日目午前からプログラムを開始した。今年もこれを踏襲し、またまた学会史上はじめて、2つのシンポジウムを企画した。「社会の構想と道徳教育の思想—源流から未来を展望する—」(第1日目)と「私学の思想史」(第2日目)である。「道徳(教育)」「私学」もともに、これまでこの学会で正面からはとりあげてこなかったテ2014-10-11 12.26.49ーマであった。なので、開催前は「反響」について若干の不安があった。しかしそれも杞憂であった。特に前者には、時事的な関心もあってか、非常に多くの参加者を得て、議論も白熱した。私自身は後者の企画と報告にかかわった。参加者数こそ前日に及ばなかったが、私以外のお二人の報告者からは、同志社・新島と慶應・福沢に関する綿密なお話を伺うことができた。討論の時間を充分確保できなかったことが悔やまれるが、今後の課題や展望について多くのきっかけを得ることができた。またシンポジウムに先立って第1日目の昼休みには、報告者のお一人の米山光儀教授と慶應義塾福澤研究センターのご厚意によって三田演説館、旧図書館展示室などを公開していただいた。これもまた、これまでの大会にない試みであった。

前後するが、第1日目の午前に開かれた4つの自主企画「コロキウム」でも、充実した議論が行われていた。第1日目午前中の参加者だけで100名を超えた、ということも特筆するべきであろう。第2日目の午後のフォーラム2件もそれぞれ熱の入ったご報告や、議論の進め方にも工夫がなされて、討議が深まった。大会企画を盛り上げてくださった関係のみなさんに心より感謝申し上げたい。

2014-10-11 14.49.06また大会運営には、事務局長、事務局長補佐をはじめとしてご尽力いただいた。さらに特に、いつもながら事務局幹事諸君のチームワークと献身的なお働きには、言葉に言い尽くせないほどありがたく思っている。日常的な学会運営をはじめとして、ほんとにいつも「酷使」して申し訳ない。あと1年、よろしくお願いします! またアルバイト陣にも、少ない賃金で2日間長時間にわたり拘束してしまった。あらためて感謝の意を表します。

2014-10-11 14.48.51大会と同時に発行された学会機関誌『近代教育フォーラム』第23号。計374頁は、史上最厚。学会によっては、紀要の背表紙に文字が入らない、などの悩みをもつところもあるように聞くが、当学会の本号は、そんな話とは無縁である。重すぎて、当日の持ち帰りを躊躇したのは、おそらく私だけではない。もちろん重厚なのは見てくれだけではない(はず)である(と信じたい)。もっとも頁数が増えたのは、大会企画を盛りだくさんにした学会理事会(というより、実は会長??)の責任であるが、編集や資金面でさまざまな問題を生じさせてしまっている。編集委員長、事務局長のご尽力のおかげで今号はなんとか刊行にこぎつけたが、次号に関しては刊行や編集の方針を大きく再考しなければならなくなっている。立場上、とても申し訳なく思っている。

IMG_4589ちなみに『近代教育フォーラム』の頁数が増えたのは、単に企画増のためだけではない。3本の投稿論文が掲載されたことも大きい。投稿論文が掲載できない号もあったことを考えると、これもうれしい悲鳴のひとつである。しかも個人的には、そのうち2本が、事務局幹事として学会運営にかかわってくれている院生であること、そしてまた自分の指導する学生であること、率直によろこびたい。あらためて言うまでもないが、幹事だから、会長の指導学生だから査読を通ったわけではない。審査は匿名で行われているし、当学会編集委員会のメンバーは、そんなに甘くはない。幹事だから、指導学生だから、かえって投稿しにくかった状況もあったのでは、とも思う。よく頑張ってくれた。指導教授として心から健闘を讃えたい。

 

 

OGOB会2014

IMG_4507a恒例行事となったOGOB会(うちのゼミではOGの数の方が多いので、私はOGOB会と称している。気づいている人はあまりいないかもしれないが)。毎年開催することになってから4度目。マンネリになりつつあるかな、と思わなくもないけれど、毎年必ず参加してくれる卒業生もいれば、ずいぶん会っていなかった卒業生がはじめて参加してくれたりする。それなりの意味があるのだろうと思う。昨年に引き続き、2世同伴(昨年とは別)できてくれた卒業生ママもいる。現役生たちも、先輩たちが社会の各方面でIMG_4518a活躍していることを知るのは、ゼミの活動の励みになるに違いない。

特にゼミで学んだことを仕事に活かしてくれていることを知るのは、教師冥利につきるものだ。 😛

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始動!2014学部ゼミ

4月9日、いよいよ12−13期による新年度の学部ゼミがはじまりました。とは言っても、すでに11期生を送り出した卒業式の翌日、3月25日には春の集中ゼミを敢行。1日かけて12期生が春課題を提出する際の前提となる卒業論文構想の検討を行いました。その後4月1日には、芝公園での夜のお花見会も開催されるなど、活発な滑り出しです。

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2014年春の集中ゼミ(3/25/2014)

初回のゼミでは、追いコンMovieも再上演され、11期をなつかしく偲びました(笑)。規模も学生の雰囲気も大きく変わりましたので、これからどんな展開を見せるか、楽しみです。卒業生のみなさん、それぞれの活躍の場から、安心して見守ってください。

なお、4月23日には、恒例の地下のお店の集まりがあります。そのうちお誘いがあると思います。ご都合のつく方はどうぞ!

祝!卒業:11期生

11期生20名が無事卒業しました。
歴代の期で最多の卒業生数になると思います。

人数が多かったので、GPの数も規模も大きくなったり、個別の論文指導がゆきとどかなかったりと、いろいろと大変なことも多かったですが、メンバーの個性とゼミに対するコミットメントに助けられました。

同期のうち4名が慶應の大学院に進学するというのも、これまでになかったこと。企業・官庁への就職者、留学予定者とともに、これからの各方面での活躍が楽しみです。

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『対話の向こうの大学像』が刊行されました!

0286170 岩波書店から刊行されてきた「シリーズ 大学」の第7巻『対話の向こうの大学像』が刊行されました。この巻でシリーズは完結です。

==岩波書店のサイトより==
「開かれた大学論」のために設定した最終巻では,今後のありうべき大学像,知の変容と大学ランキング症候群のゆくえ,経済界が大学に望む人材育成,行政による財政支援の論理など,重要テーマについて研究者,財界人,現役財務官僚らと討論.各巻の論点を振り返りながら,シリーズ全体を総括する.[寄稿と座談会への参加=松浦良充・小林信一・神田眞人・浦野光人]

https://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?head=y&isbn=ISBN4-00-028617

2013年の仕事

学事日程上は本日より授業開始。同時に校務も開始。
Facebook(個人ページ)や年賀状の信念の新年のあいさつで、教育・研究・社会貢献のバランスをとりたい、という趣旨の文を書いたこともあって、ここで一度、昨年の主な仕事を振り返ってみる。文字通りの自己点検・評価の意味も込めて。


公刊された著作物

・「挑戦」『教育思想史学会 News Letter』第58号、2013年2月4日。
・「大学—脱・機能主義の大学像に向けて」、森田尚人・森田伸子編『教育思想史で読む現代教育』(第3章)、勁草書房、2013年3月25日。
・「課題研究に関する総括的報告」(「課題研究:国家と教育」、森川直との共著)『教育哲学研究』第107号、教育哲学会、2013年5月10日。
・「「知的コミュニティ」としての大学はどのようにして可能になるのか—ロバート・M・ハッチンズの挑戦—」(会長就任論文)『近代教育フォーラム』第22号、教育思想史学会、2013年9月14日。
・「脱・機能主義の大学像を求めて」(シンポジウム:「「大学の危機」を思想史が問う」報告論文)『近代教育フォーラム』第22号、教育思想史学会、2013年9月14日。
・「教育と成長」高桑和巳編『成長—生命の教養学Ⅸ』(慶應義塾大学教養研究センター・極東証券寄附講座)慶應義塾大学出版会、2013年9月30日。

学会発表等・講演ほか

・「佐藤仁『現代米国における教員養成評価制度の研究—アクレディテーションの展開過程—』(多賀出版、2012)を読む」アメリカ教育史研究会・全体研究集会(名古屋市)、2013年1月14日。
・「大学史におけるschool of educationの位置 —シカゴ大学を事例として—」日本教育学会・第72回大会・ラウンドテーブル「大学と教員養成—アメリカ教育史の観点から—」(企画・報告)(一橋大学) 、2013年8月28日。
・テーマ型研究発表部会「高等教育改革と質保証」(コーディネイト・司会)日本教育学会・第72回大会(一橋大学)、2013年8月29日。
・シンポジウム「教員養成と教育思想史」(司会)教育思想史学会・第23回大会(慶應義塾大学)、2013年9月14日。
・「「大学の危機」を問うた後に」教育思想史学会・第23回大会・コロキウム「「高等」教育とはなにか—思想史が問う—」(企画・報告)、慶應義塾大学、2013年9月15日。
・ラウンドテーブル「教育哲学の<これから>—若手研究者の立場から—」(企画・司会)教育哲学会・第56回大会(神戸親和女子大学)、2013年10月13日。
・「リベラル・アーツと教育—その危険な関係—」茨城大学・大学教育講演会、2013年10月23日。
・「「リベラル・アーツ」と「教養教育」のあいだ」
青山学院女子短期大学・総合文化研究所・研究プロジェクト「リベラル・アーツの比較研究」2013年度第1回講演会、2013年12月17日。

学会・社会的活動

・日本教育学会・法人理事/機関誌編集副委員長/国際交流担当
・教育思想史学会・会長/理事
・教育哲学会・事務局長(2013年10月まで)/常任理事/機関誌編集副委員長
・日本デューイ学会・理事
・日本学術会議・連携会員
・日本学術会議・教育関連学会連絡協議会・運営委員
・教育学関連学会共同シンポジウム企画フォーラム・世話人

校務

・役職:文学部長補佐
・全学的委員:大学評議会・委員、大学教育委員会・委員、入学広報委員会・委員、学事日程見直しWG・委員
・(学部内委員はあまりにも多いので省略)

 担当授業

・慶應義塾大学/文学部:「比較教育学Ⅰ・Ⅱ」「教育学研究会Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ」「教育学演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ」(ゼミ指導学生:3年生11名、4年生20名)
・慶應義塾大学大学院/社会学研究科:「教育学演習(修士)/教育学特殊演習(後期博士)」「比較教育学演習(修士)/比較教育学特殊演習(後期博士)」「比較教育学特論Ⅰ(修士)/「比較教育学特殊演習Ⅰ(後期博士)」(ゼミ指導学生:修士課程5名、後期博士課程5名)

・国際基督教大学大学院/アーツ・サイエンス研究科:「教育哲学—理念と発展」「教育発展の思想的背景(演習)」
・国際基督教大学/教養学部:「教育哲学研究」
・立教大学/全学共通カリキュラム:「大学と多文化共生」


仕事の内容は、今年も大きくは変わらないだろう。研究上は、長年抱えてきている(少なからぬ)仕事に結着をつけなければならないが、、、。やはりここ数年、校務と学会関係の仕事が他を圧迫している。ただ昨年は、シカゴからもちかえった史料を使って、いくつかの成果を出せたのが、せめてもの救いだった。その流れは今年のできるだけ継続・発展させてゆきたい。との新年の決意!

新年のごあいさつ

新しい年を迎えました。
4年生は卒論に奮闘していることと思います。
私の方は、この1年も、校務や学会の仕事など、あいかわらずドタバタした日々を過ごすことになると思います。少しでも学生と一緒にいられる時間を増やしたいと思っているのですが、、、。
今年もよろしくお願いします。

松浦良充

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