最後の授業

本日、最終講義いや最終授業でした。ICUの話です。途中、在外研究時には中断しましたが、かれこれ25年、ずっと非常勤で授業を担当していました。ここ数年、毎年、「今年でやめる」と言い続け、それでも慰留に屈してまた三鷹にやってくる、という「オオカミおじさん」の繰り返しでしたが、今年こそ、本当に最後となりました。秋学期は学部の「研究」でしたが、履修者の倍のリピーターの院生や学部生が参集してくれて、みんなでデューイを読みました。

パッケージ化されていまや陳腐な概念になってしまったCritical Thinkingや「思考力」などのことばが流行る前から、この大学の学生は、一つの概念にこだわり、仲間と議論しながら、深く深く考える、という学問の基本を実践する人たちでした。今年もおもしろかったです。慶應では、学部ゼミも大学院ゼミも、いまは人数が多いので、ICUでのディスカッションは私にとっても、とても刺激的でした。やっぱり、ゼミの適正規模ってあるよね。

「また来てください」とのことばとともにいただいた花束。たぶんもうICUに戻ることはないと思いますが(ゴメン!)、ここ数年の履修者を含めて、ICUの25年間で出会った学生は、私の研究教育の財産です。ありがとう。

今日は補講で遅くなりましたので、「打ち上げ」は来週、新宿で。とても楽しみにしています。
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学部ゼミ夏課題(2015年度)

提 出

4年生:2015年9月22日(火)23:59【厳守】
3年生:2015年10月13日(火)23:59【厳守】
本サイトの「メディア」にアップロードする(ファイル形式は、原則としてMS -Word文書ファイルとする)。

☆コメント締切は、当該論文「夏課題検討」発表の前の週のゼミ開始時(例:10月7日発表予定者の分のコメントは、9月30日ゼミ開始時までに)。4年生はゼミ合宿の際に、相互に相談をして発表日を確定してください。

課 題

≪3年生対象≫

0.以下にあげるものをはじめとして、<論文の書き方>に関する参考書を複数通読すること。
1.研究課題を決める(卒論のテーマを意識しつつ)。
2.その課題に関連する参考文献(少なくとも50点)を検索し、リストを作成する。
(単行本、論文、資料など)
3.参考文献のうち、少なくとも10点について精読し、ノート(カード)をとる。
(ノートをもとに、それらの要約をまとめる。)
4.精読した文献から、設定した課題に関する現在の研究水準として、
–a) なにがどこまで明らかにされているのか、
–b) 対立する考え方(論争点)としてどのようなものがあるのか、
–c) 今後の研究課題としてなにが残されているのか、について確認する。
5.上記4に基づいて、自分の研究は、「なにについて」「どこまで」「どのように」して明らかにしようとするのか、
について考えをまとめる。
6.以上をふまえて、8,000〜12,000字程度の【論文】をまとめる。
論文には少なくとも、以下の諸点が含まれていなければならない。
–a) テーマ(タイトル)
–b) テーマの概要(上記5)
–c) なぜそのテーマを課題とするのか
–d) 先行研究の検討(上記4)
–e) テーマの具体的内容・展開
、今後の研究の見通し・計画・予定
–f) 参考文献リスト

≪4年生対象≫

0.The Craft of Researchの内容についてよく復習すること。
1.卒業論文の下書きにあたるものを、40,000字程度にまとめる(表題・アブストラクト・目次・注・参考文献一覧をつけたもの)。☆ただし字数を増やすことに腐心して、引用の継ぎ接ぎを重ねたノートのような「論文」にしないこと。字数は少なくてとも、論や章の筋立てが明確なものにすること。
2.章の構成の仕方、註のつけ方、参考文献の表記の方法などについては、各自、以下に示すような<論文の書き方>に関する書物を複数参考にして正確な様式を用いること。

<論文の書き方>に関する参考文献

※レポート(論文)の執筆にあたっては、必ず論文の書き方についての参考書を参照し、形式・内容の両面において学術論文の水準を満たすこと。
1.斉藤孝・西岡達裕『学術論文の技法』【新訂版】、日本エディタースクール出版部、2005。
2.櫻井雅夫『レポート・論文の書き方 上級』慶應義塾出版会、1998。
3.白井利明・高橋一郎『よくわかる卒論の書き方』ミネルヴァ書房、2008。
4.高崎みどり編著『大学生のための「論文」執筆の手引―卒論・レポート・演習発表の乗り切り方―』秀和システム、2010。
5.花井等・若松篤『論文の書き方マニュアル―ステップ式リサーチ戦略のすすめ―』有斐閣アルマ、1997。
6.戸田山和久『論文の教室―レポートから卒論まで―』NHKブックス、2002。

なお、上記参考文献は、あくまで論文執筆のための「参考」書である。必ずしたがうべきマニュアルのように扱うことのないように、注意すること。

註や文献の表記の仕方

※引用・参考文献の出典の表記の仕方には、大きく2種類ある。これらの方式を混合させないこと。
1.脚注/巻・章・節末注(Notes and bibliography)方式:本文中の該当箇所に右肩に小さく番号をつけ(括弧をつけることもある)、それに対応して注をつける。
2.著者名・発行年(The author-date system)方式:本文中の該当箇所に(著者名 発行年、頁数)を入れ込み、巻末に参考文献一覧をつけ、照合可能とする。文献出典以外の注は、1と同様の方式でつける。
なお表記方法の細かい点については、<論文の書き方>の本でも必ずしも一致していないところもある。一つの論文のなかで、整合性(統一)がとれていればよい。

※英文文献の表記に関しては、The Chicago Manual of Style: The Essenntial Guide for Writers, Editors, and Publishers. 15th edition. Chicago: The University of Chicago Press, 2003. の主として16-17章(pp.593-754)を参照すること(最新版は、16th edition)。上記の1と2の区別についても詳細な約束事についての記述がある。それらは、日本語の註 や文献表記にもある程度応用できる。(大学院進学予定者は、一度は目を通しておくこと。)現在は、The Chicago Manual of Style Online (http://www.chicagomanualofstyle.org/home.html)としても、手軽に利用できる。

以上

慶應義塾大学文学部125年/記念講演会・シンポジウム(2015.06.20)

1890年慶應義塾に大学部が開設され、理財科・法律科とともに「文学科」が創設されてから、今年で125年となります。慶應義塾大学文学部では、これを記念してさまざまな記念行事を展開しています。>>慶應義塾大学文学部創設125年記念サイト

そのなかでもメイン・イベントに位置づけられる行事が、6月20日に開催されます。

慶應義塾の文学部のこれまでといま、そしてこれからを考えるのみならず、日本や世界の人文学や社会科学研究のあり方を問うことを企図しています。福澤諭吉が「すゝめ」た「実学(サイヤンス=サイエンス)」とは、単に日常生活や社会の役に立つ学問ということにとどまらず、事象の真実に迫ろうとする知的探究・科学的追究の姿勢を示すものだと考えられます。すなわちそれは、直接的な社会的有用性への対応をめざすのではなく、人文学、社会科学、自然科学を包含した「リベラル・スタディーズ」によって事物の本質に迫ろうと試み、それによって社会や世界のこれまでといまを考え、これからをつくりあげようとする学問的態度を意味しています。

記念講演・シンポジウムは、こうした観点から、「文」学部について考えます。テーマに関心をおもちの方は、どなたでもご自由にご参加いただけます。

(追記:この間、あらためて文学部の125年の歴史を振り返るなかで、慶應ではかなり早い時期から「教育学」が文学部(文学科)のなかで重要な位置を占めていたことがわかりました。日本の教育学史のなかできちんと位置づける必要を痛感しています。)

20150620

『現代教育の争点・論点』刊行

timthumb報告(宣伝)が遅くなりましたが、4月に刊行されました。

 

 

 

 

 

 

 

【出版社:一藝社、サイトより

概要

 現代、特に論議の対象となりやすい教育問題。メディア社会におけるコミュニケーション、ゼロトレランス、読書力養成、大学の社会的役割など、教育にまつわる現代的な課題をひとつひとつ紐解きながら、現代社会における教育の役割とその課題について考える。

目次

[第Ⅰ部]公教育を問い直す──学校のあり方をめぐる争点・論点
第1章 誰のための・何のための公教育か
第2章 教育格差と能力主義
第3章 公教育における特別支援教育に関する論点と課題
第4章 「幼保一元化」が目指すもの
第5章 教育における評価の逆説性
第6章 学校に「参加」する主体は誰か─学校における「第三者」と「ステイクホルダー」
[第Ⅱ部]今求められる学力・能力とは──学力問題をめぐる争点・論点
第7章 学習指導要領の過去・現在・未来
第8章 学力調査の結果をどのように利用すべきか
第9章 「読書力」を育成する
第10章 メディア社会におけるコミュニケーション能力
第11章 ゼロトレランスによる「安全で規律ある学習環境」の確立
[第Ⅲ部]大学の社会的役割を考える──教師教育・大学改革・生涯学習をめぐる争点・論点
第12章 学校教員に必要な資質能力をいかに養成するか
第13章 現職教員の資質能力をいかに向上させるか
第14章 「教育」からみた大学の隘路
第15章 大学像をどのように描き直すのか─多様化と標準化の相克のなかでの大学改革の争点と論点
第16章 大学が果たすべき社会貢献とは何か
第17章 誰のための生涯学習か

書籍情報

  • ISBN-13: 978-4-86359-091-5
  • 発売日: 2015年4月1日
  • サイズ: A5判/並製
  • ページ数: 208頁

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日本哲学会第74回大会(2015年5月16−17日@上智大学)

(久しぶりの投稿になりますが、、、)

日本哲学会の「学協会シンポジウム:教養教育—その歴史と課題」に、教育思想史学会・教育哲学会を代表する形で発表します。ここ数年、教育学関連諸学会の連携の仕事に携わってきましたが、今回は「教育学」の枠を超えた試みです。貴重な機会を与えていただいた日本哲学会および上智大学教育学科(研究科)に感謝致します。有意義な議論が展開できればよいのですが。

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春課題:学部ゼミ新4年生(13期生=2014年度3年生)

提 出

2015年5月12日(火)
学部新4年生は、期日までに、以下の課題論文(卒論草稿)を本サイトの「メディア」にアップロードしてください(ファイル形式は、原則としてMS -Word文書ファイルとする)。

課題論文

以下の内容を、すべて含むものとします。

1.テーマ(仮タイトル)=内容を的確にあらわし、かつ魅力的なもの

2.アブストラクト=ねらい・方法・概要などを1200字以内にまとめる

3.プロット=目次にあたる構成案

4.ラフ・ドラフト(20,000字程度)=いずれかの章もしくは全体についての草稿

5.参考文献一覧

<論文の書き方>に関する参考文献

※レポート(論文)の執筆にあたっては、必ず論文の書き方についての参考書を参照し、形式・内容の両面において学術論文の水準を満たすこと。
1.斉藤孝・西岡達裕『学術論文の技法』【新訂版】、日本エディタースクール出版部、2005。
2.櫻井雅夫『レポート・論文の書き方 上級』慶應義塾出版会、1998。
3.白井利明・高橋一郎『よくわかる卒論の書き方』ミネルヴァ書房、2008。
4.高崎みどり編著『大学生のための「論文」執筆の手引―卒論・レポート・演習発表の乗り切り方―』秀和システム、2010。
5.花井等・若松篤『論文の書き方マニュアル―ステップ式リサーチ戦略のすすめ―』有斐閣アルマ、1997。
6.戸田山和久『論文の教室―レポートから卒論まで―』NHKブックス、2002。

なお、上記参考文献は、あくまで論文執筆のための「参考」書である。必ずしたがうべきマニュアルのように扱うことのないように、注意すること。

註や文献の表記の仕方

※引用・参考文献の出典の表記の仕方には、大きく2種類ある。これらの方式を混合させないこと。
1.脚注/巻・章・節末注(Notes and bibliography)方式:本文中の該当箇所に右肩に小さく番号をつけ(括弧をつけることもある)、それに対応して注をつける。
2.著者名・発行年(The author-date system)方式:本文中の該当箇所に(著者名 発行年、頁数)を入れ込み、巻末に参考文献一覧をつけ、照合可能とする。文献出典以外の注は、1と同様の方式でつける。
なお表記方法の細かい点については、<論文の書き方>の本でも必ずしも一致していないところもある。一つの論文のなかで、整合性(統一)がとれていればよい。

※英文文献の表記に関しては、The Chicago Manual of Style: The Essenntial Guide for Writers, Editors, and Publishers. 15th edition. Chicago: The University of Chicago Press, 2003. の主として16-17章(pp.593-754)を参照すること(最新版は、16th edition)。上記の1と2の区別についても詳細な約束事についての記述がある。それらは、日本語の註 や文献表記にもある程度応用できる。(大学院進学予定者は、一度は目を通しておくこと。)現在は、The Chicago Manual of Style Online (http://www.chicagomanualofstyle.org/home.html)としても、手軽に利用できる。

以上