1890年慶應義塾に大学部が開設され、理財科・法律科とともに「文学科」が創設されてから、今年で125年となります。慶應義塾大学文学部では、これを記念してさまざまな記念行事を展開しています。>>慶應義塾大学文学部創設125年記念サイト
そのなかでもメイン・イベントに位置づけられる行事が、6月20日に開催されます。
慶應義塾の文学部のこれまでといま、そしてこれからを考えるのみならず、日本や世界の人文学や社会科学研究のあり方を問うことを企図しています。福澤諭吉が「すゝめ」た「実学(サイヤンス=サイエンス)」とは、単に日常生活や社会の役に立つ学問ということにとどまらず、事象の真実に迫ろうとする知的探究・科学的追究の姿勢を示すものだと考えられます。すなわちそれは、直接的な社会的有用性への対応をめざすのではなく、人文学、社会科学、自然科学を包含した「リベラル・スタディーズ」によって事物の本質に迫ろうと試み、それによって社会や世界のこれまでといまを考え、これからをつくりあげようとする学問的態度を意味しています。
記念講演・シンポジウムは、こうした観点から、「文」学部について考えます。テーマに関心をおもちの方は、どなたでもご自由にご参加いただけます。
(追記:この間、あらためて文学部の125年の歴史を振り返るなかで、慶應ではかなり早い時期から「教育学」が文学部(文学科)のなかで重要な位置を占めていたことがわかりました。日本の教育学史のなかできちんと位置づける必要を痛感しています。)