【大学院ゼミ/1限】「教養」に関する比較教育的研究 第6回

1. 『教養主義の没落』を読んで出てきた論点
□社会グループ
・社会が教養を規定するのか,既に決まっている教養を社会が維持するのか
・社会的格差が基になっている教養主義が消えることは「社会的進歩」なのでは?
→教養主義を再興させようとする論調は何故出てくるのか?
・教養に対する社会/産業界からの要求はいつ頃から出てきたのか?
・格差のある社会の中で求められるものと,そこで学生が形成した教養
→教養主義の時代はそもそも社会が学生に教養を求めていたのか?

□異文化グループ
・文化的価値を求めるか,経済的価値を求めるか,という対立構図
・未だに「西洋の模倣」に終始している?
→教養としての英語の扱い
→異文化の需要のための英語か,経済発展のための英語か

□教員グループ
・文科大学生が中学・高校の教員となるライフコース
→英・独・仏と同様と言えるのか?
→liberal artsとしての教養とcultureとしての教養の混同

※こうしてまとめてみると今回の議論は社会グループに偏ったようにも思えるが,社会グループの論点は異文化・教員グループでも扱えるものが多いと思われるので,全グループ共通と見ても良いかも。

2. 今後の議論の上での注意点
□これまでの研究及び今回の議論での制度論的な観点の弱さ
□文化資本と経済資本の違い

3. 次週の予定
□各グループで,本日出た論点を基に,これを深められそうな文献を数点提示する
□挙げられた文献の中から,次週以降共通文献として読むものを選定する
□次々週以降は,各グループが2回ずつ,次週に決定した文献についてプレゼンを行い,それについて検討を行う