京都

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立命館大学・朱雀キャンパス

2つの台風の襲来に象徴されるように、今年の10月は文字通り怒濤のごとく駆け抜けていった印象だ。個人的にもこの10月は、教育思想史学会の大会があり、その前後に隔週で京都出張が3度。同志社大学(日本デューイ学会)、京都大学(E. FORUM 教育研究セミナー)そして立命館大学にお邪魔した。いまに始まったことではないが、やはり京都の大学は元気がいい。月並みで今どきな言い方になるが、ローカルとグローバルがうまくコラボレートされていると思う。それは京都というまちの特性にも大きく拠るものだろう。

10月最後の京都出張は、立命館大学の大学行政研究・研修センター「大学アドミニストレーター養成プログラム」での講義。いわゆるSD研修である。先駆的・包括的・体系的な大学(幹部)職員養成のプログラムとして噂にはきいていたが、実際に参画させていただく貴重な機会をいただいた。大学のガバナンス・アドミニストレイションにおいて、従来の教員/職員枠組みを越えた第3の専門職性をどのように構成してゆくのか。日本の大学の大きな課題のひとつである。

教育思想史学会第24回大会(2014.10.11-12)

2014-10-11 09.16.03少し日数が経過してしまったが、先週末、教育思想史学会の大会が「無事」開催された。台風の襲来も予想されたが、天候にはなんとか恵まれた。記録をよく調べてみる必要があるが、大会参加者総数は154名と、これまでになく多くの方に来場いただいた。感謝!

昨年から慶應義塾大学・三田キャンパスを会場とすることになって、学会史上はじめての試みであるが、第1日目午前からプログラムを開始した。今年もこれを踏襲し、またまた学会史上はじめて、2つのシンポジウムを企画した。「社会の構想と道徳教育の思想—源流から未来を展望する—」(第1日目)と「私学の思想史」(第2日目)である。「道徳(教育)」「私学」もともに、これまでこの学会で正面からはとりあげてこなかったテ2014-10-11 12.26.49ーマであった。なので、開催前は「反響」について若干の不安があった。しかしそれも杞憂であった。特に前者には、時事的な関心もあってか、非常に多くの参加者を得て、議論も白熱した。私自身は後者の企画と報告にかかわった。参加者数こそ前日に及ばなかったが、私以外のお二人の報告者からは、同志社・新島と慶應・福沢に関する綿密なお話を伺うことができた。討論の時間を充分確保できなかったことが悔やまれるが、今後の課題や展望について多くのきっかけを得ることができた。またシンポジウムに先立って第1日目の昼休みには、報告者のお一人の米山光儀教授と慶應義塾福澤研究センターのご厚意によって三田演説館、旧図書館展示室などを公開していただいた。これもまた、これまでの大会にない試みであった。

前後するが、第1日目の午前に開かれた4つの自主企画「コロキウム」でも、充実した議論が行われていた。第1日目午前中の参加者だけで100名を超えた、ということも特筆するべきであろう。第2日目の午後のフォーラム2件もそれぞれ熱の入ったご報告や、議論の進め方にも工夫がなされて、討議が深まった。大会企画を盛り上げてくださった関係のみなさんに心より感謝申し上げたい。

2014-10-11 14.49.06また大会運営には、事務局長、事務局長補佐をはじめとしてご尽力いただいた。さらに特に、いつもながら事務局幹事諸君のチームワークと献身的なお働きには、言葉に言い尽くせないほどありがたく思っている。日常的な学会運営をはじめとして、ほんとにいつも「酷使」して申し訳ない。あと1年、よろしくお願いします! またアルバイト陣にも、少ない賃金で2日間長時間にわたり拘束してしまった。あらためて感謝の意を表します。

2014-10-11 14.48.51大会と同時に発行された学会機関誌『近代教育フォーラム』第23号。計374頁は、史上最厚。学会によっては、紀要の背表紙に文字が入らない、などの悩みをもつところもあるように聞くが、当学会の本号は、そんな話とは無縁である。重すぎて、当日の持ち帰りを躊躇したのは、おそらく私だけではない。もちろん重厚なのは見てくれだけではない(はず)である(と信じたい)。もっとも頁数が増えたのは、大会企画を盛りだくさんにした学会理事会(というより、実は会長??)の責任であるが、編集や資金面でさまざまな問題を生じさせてしまっている。編集委員長、事務局長のご尽力のおかげで今号はなんとか刊行にこぎつけたが、次号に関しては刊行や編集の方針を大きく再考しなければならなくなっている。立場上、とても申し訳なく思っている。

IMG_4589ちなみに『近代教育フォーラム』の頁数が増えたのは、単に企画増のためだけではない。3本の投稿論文が掲載されたことも大きい。投稿論文が掲載できない号もあったことを考えると、これもうれしい悲鳴のひとつである。しかも個人的には、そのうち2本が、事務局幹事として学会運営にかかわってくれている院生であること、そしてまた自分の指導する学生であること、率直によろこびたい。あらためて言うまでもないが、幹事だから、会長の指導学生だから査読を通ったわけではない。審査は匿名で行われているし、当学会編集委員会のメンバーは、そんなに甘くはない。幹事だから、指導学生だから、かえって投稿しにくかった状況もあったのでは、とも思う。よく頑張ってくれた。指導教授として心から健闘を讃えたい。

 

 

OGOB会2014

IMG_4507a恒例行事となったOGOB会(うちのゼミではOGの数の方が多いので、私はOGOB会と称している。気づいている人はあまりいないかもしれないが)。毎年開催することになってから4度目。マンネリになりつつあるかな、と思わなくもないけれど、毎年必ず参加してくれる卒業生もいれば、ずいぶん会っていなかった卒業生がはじめて参加してくれたりする。それなりの意味があるのだろうと思う。昨年に引き続き、2世同伴(昨年とは別)できてくれた卒業生ママもいる。現役生たちも、先輩たちが社会の各方面でIMG_4518a活躍していることを知るのは、ゼミの活動の励みになるに違いない。

特にゼミで学んだことを仕事に活かしてくれていることを知るのは、教師冥利につきるものだ。 😛

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学部ゼミ夏課題(2014年度)

提 出

2014年9月10日(水)23:59【厳守】
本サイトの「メディア」にアップロードする(ファイル形式は、原則としてMS -Word文書ファイルとする)。

課 題

≪3年生対象≫

0.以下にあげるものをはじめとして、<論文の書き方>に関する参考書を複数通読すること。
1.研究課題を決める(卒論のテーマを意識しつつ)。
2.その課題に関連する参考文献(少なくとも50点)を検索し、リストを作成する。
(単行本、論文、資料など)
3.参考文献のうち、少なくとも10点について精読し、ノート(カード)をとる。
(ノートをもとに、それらの要約をまとめる。)
4.精読した文献から、設定した課題に関する現在の研究水準として、
–a) なにがどこまで明らかにされているのか、
–b) 対立する考え方(論争点)としてどのようなものがあるのか、
–c) 今後の研究課題としてなにが残されているのか、について確認する。
5.上記4に基づいて、自分の研究は、「なにについて」「どこまで」「どのように」して明らかにしようとするのか、
について考えをまとめる。
6.以上をふまえて、8,000〜12,000字程度の【論文】をまとめる。
論文には少なくとも、以下の諸点が含まれていなければならない。
–a) テーマ(タイトル)
–b) テーマの概要(上記5)
–c) なぜそのテーマを課題とするのか
–d) 先行研究の検討(上記4)
–e) テーマの具体的内容・展開
、今後の研究の見通し・計画・予定
–f) 参考文献リスト

≪4年生対象≫

0.The Craft of Researchの内容についてよく復習すること。
1.卒業論文の下書きにあたるものを、40,000字程度にまとめる(表題・アブストラクト・目次・注・参考文献一覧をつけたもの)。
2.章の構成の仕方、註のつけ方、参考文献の表記の方法などについては、各自、以下に示すような<論文の書き方>に関する書物を複数参考にして正確な様式を用いること。

<論文の書き方>に関する参考文献

※レポート(論文)の執筆にあたっては、必ず論文の書き方についての参考書を参照し、形式・内容の両面において学術論文の水準を満たすこと。
1.斉藤孝・西岡達裕『学術論文の技法』【新訂版】、日本エディタースクール出版部、2005。
2.櫻井雅夫『レポート・論文の書き方 上級』慶應義塾出版会、1998。
3.白井利明・高橋一郎『よくわかる卒論の書き方』ミネルヴァ書房、2008。
4.高崎みどり編著『大学生のための「論文」執筆の手引―卒論・レポート・演習発表の乗り切り方―』秀和システム、2010。
5.花井等・若松篤『論文の書き方マニュアル―ステップ式リサーチ戦略のすすめ―』有斐閣アルマ、1997。
6.戸田山和久『論文の教室―レポートから卒論まで―』NHKブックス、2002。

なお、上記参考文献は、あくまで論文執筆のための「参考」書である。必ずしたがうべきマニュアルのように扱うことのないように、注意すること。

註や文献の表記の仕方

※引用・参考文献の出典の表記の仕方には、大きく2種類ある。これらの方式を混合させないこと。
1.脚注/巻・章・節末注(Notes and bibliography)方式:本文中の該当箇所に右肩に小さく番号をつけ(括弧をつけることもある)、それに対応して注をつける。
2.著者名・発行年(The author-date system)方式:本文中の該当箇所に(著者名 発行年、頁数)を入れ込み、巻末に参考文献一覧をつけ、照合可能とする。文献出典以外の注は、1と同様の方式でつける。
なお表記方法の細かい点については、<論文の書き方>の本でも必ずしも一致していないところもある。一つの論文のなかで、整合性(統一)がとれていればよい。

※英文文献の表記に関しては、The Chicago Manual of Style: The Essenntial Guide for Writers, Editors, and Publishers. 15th edition. Chicago: The University of Chicago Press, 2003. の主として16-17章(pp.593-754)を参照すること(最新版は、16th edition)。上記の1と2の区別についても詳細な約束事についての記述がある。それらは、日本語の註 や文献表記にもある程度応用できる。(大学院進学予定者は、一度は目を通しておくこと。)現在は、The Chicago Manual of Style Online (http://www.chicagomanualofstyle.org/home.html)としても、手軽に利用できる。

以上

始動!2014学部ゼミ

4月9日、いよいよ12−13期による新年度の学部ゼミがはじまりました。とは言っても、すでに11期生を送り出した卒業式の翌日、3月25日には春の集中ゼミを敢行。1日かけて12期生が春課題を提出する際の前提となる卒業論文構想の検討を行いました。その後4月1日には、芝公園での夜のお花見会も開催されるなど、活発な滑り出しです。

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2014年春の集中ゼミ(3/25/2014)

初回のゼミでは、追いコンMovieも再上演され、11期をなつかしく偲びました(笑)。規模も学生の雰囲気も大きく変わりましたので、これからどんな展開を見せるか、楽しみです。卒業生のみなさん、それぞれの活躍の場から、安心して見守ってください。

なお、4月23日には、恒例の地下のお店の集まりがあります。そのうちお誘いがあると思います。ご都合のつく方はどうぞ!

祝!卒業:11期生

11期生20名が無事卒業しました。
歴代の期で最多の卒業生数になると思います。

人数が多かったので、GPの数も規模も大きくなったり、個別の論文指導がゆきとどかなかったりと、いろいろと大変なことも多かったですが、メンバーの個性とゼミに対するコミットメントに助けられました。

同期のうち4名が慶應の大学院に進学するというのも、これまでになかったこと。企業・官庁への就職者、留学予定者とともに、これからの各方面での活躍が楽しみです。

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春課題:学部ゼミ新4年生(12期生=2013年度3年生)

提 出

2014年4月22日(火)
学部新4年生は、期日までに、以下の課題論文(卒論草稿)を本サイトの「メディア」にアップロードしてください(ファイル形式は、原則としてMS -Word文書ファイルとする)。

課題論文

以下の内容を、すべて含むものとします。

1.テーマ(仮タイトル)=内容を的確にあらわし、かつ魅力的なもの

2.アブストラクト=ねらい・方法・概要などを1200字以内にまとめる

3.プロット=目次にあたる構成案

4.ラフ・ドラフト(20,000字程度)=いずれかの章もしくは全体についての草稿

5.参考文献一覧

<論文の書き方>に関する参考文献

※レポート(論文)の執筆にあたっては、必ず論文の書き方についての参考書を参照し、形式・内容の両面において学術論文の水準を満たすこと。
1.斉藤孝・西岡達裕『学術論文の技法』【新訂版】、日本エディタースクール出版部、2005。
2.櫻井雅夫『レポート・論文の書き方 上級』慶應義塾出版会、1998。
3.白井利明・高橋一郎『よくわかる卒論の書き方』ミネルヴァ書房、2008。
4.高崎みどり編著『大学生のための「論文」執筆の手引―卒論・レポート・演習発表の乗り切り方―』秀和システム、2010。
5.花井等・若松篤『論文の書き方マニュアル―ステップ式リサーチ戦略のすすめ―』有斐閣アルマ、1997。
6.戸田山和久『論文の教室―レポートから卒論まで―』NHKブックス、2002。

なお、上記参考文献は、あくまで論文執筆のための「参考」書である。必ずしたがうべきマニュアルのように扱うことのないように、注意すること。

註や文献の表記の仕方

※引用・参考文献の出典の表記の仕方には、大きく2種類ある。これらの方式を混合させないこと。
1.脚注/巻・章・節末注(Notes and bibliography)方式:本文中の該当箇所に右肩に小さく番号をつけ(括弧をつけることもある)、それに対応して注をつける。
2.著者名・発行年(The author-date system)方式:本文中の該当箇所に(著者名 発行年、頁数)を入れ込み、巻末に参考文献一覧をつけ、照合可能とする。文献出典以外の注は、1と同様の方式でつける。
なお表記方法の細かい点については、<論文の書き方>の本でも必ずしも一致していないところもある。一つの論文のなかで、整合性(統一)がとれていればよい。

※英文文献の表記に関しては、The Chicago Manual of Style: The Essenntial Guide for Writers, Editors, and Publishers. 15th edition. Chicago: The University of Chicago Press, 2003. の主として16-17章(pp.593-754)を参照すること(最新版は、16th edition)。上記の1と2の区別についても詳細な約束事についての記述がある。それらは、日本語の註 や文献表記にもある程度応用できる。(大学院進学予定者は、一度は目を通しておくこと。)現在は、The Chicago Manual of Style Online (http://www.chicagomanualofstyle.org/home.html)としても、手軽に利用できる。

以上