慶應義塾大学文学部125年/記念講演会・シンポジウム(2015.06.20)

1890年慶應義塾に大学部が開設され、理財科・法律科とともに「文学科」が創設されてから、今年で125年となります。慶應義塾大学文学部では、これを記念してさまざまな記念行事を展開しています。>>慶應義塾大学文学部創設125年記念サイト

そのなかでもメイン・イベントに位置づけられる行事が、6月20日に開催されます。

慶應義塾の文学部のこれまでといま、そしてこれからを考えるのみならず、日本や世界の人文学や社会科学研究のあり方を問うことを企図しています。福澤諭吉が「すゝめ」た「実学(サイヤンス=サイエンス)」とは、単に日常生活や社会の役に立つ学問ということにとどまらず、事象の真実に迫ろうとする知的探究・科学的追究の姿勢を示すものだと考えられます。すなわちそれは、直接的な社会的有用性への対応をめざすのではなく、人文学、社会科学、自然科学を包含した「リベラル・スタディーズ」によって事物の本質に迫ろうと試み、それによって社会や世界のこれまでといまを考え、これからをつくりあげようとする学問的態度を意味しています。

記念講演・シンポジウムは、こうした観点から、「文」学部について考えます。テーマに関心をおもちの方は、どなたでもご自由にご参加いただけます。

(追記:この間、あらためて文学部の125年の歴史を振り返るなかで、慶應ではかなり早い時期から「教育学」が文学部(文学科)のなかで重要な位置を占めていたことがわかりました。日本の教育学史のなかできちんと位置づける必要を痛感しています。)

20150620

『現代教育の争点・論点』刊行

timthumb報告(宣伝)が遅くなりましたが、4月に刊行されました。

 

 

 

 

 

 

 

【出版社:一藝社、サイトより

概要

 現代、特に論議の対象となりやすい教育問題。メディア社会におけるコミュニケーション、ゼロトレランス、読書力養成、大学の社会的役割など、教育にまつわる現代的な課題をひとつひとつ紐解きながら、現代社会における教育の役割とその課題について考える。

目次

[第Ⅰ部]公教育を問い直す──学校のあり方をめぐる争点・論点
第1章 誰のための・何のための公教育か
第2章 教育格差と能力主義
第3章 公教育における特別支援教育に関する論点と課題
第4章 「幼保一元化」が目指すもの
第5章 教育における評価の逆説性
第6章 学校に「参加」する主体は誰か─学校における「第三者」と「ステイクホルダー」
[第Ⅱ部]今求められる学力・能力とは──学力問題をめぐる争点・論点
第7章 学習指導要領の過去・現在・未来
第8章 学力調査の結果をどのように利用すべきか
第9章 「読書力」を育成する
第10章 メディア社会におけるコミュニケーション能力
第11章 ゼロトレランスによる「安全で規律ある学習環境」の確立
[第Ⅲ部]大学の社会的役割を考える──教師教育・大学改革・生涯学習をめぐる争点・論点
第12章 学校教員に必要な資質能力をいかに養成するか
第13章 現職教員の資質能力をいかに向上させるか
第14章 「教育」からみた大学の隘路
第15章 大学像をどのように描き直すのか─多様化と標準化の相克のなかでの大学改革の争点と論点
第16章 大学が果たすべき社会貢献とは何か
第17章 誰のための生涯学習か

書籍情報

  • ISBN-13: 978-4-86359-091-5
  • 発売日: 2015年4月1日
  • サイズ: A5判/並製
  • ページ数: 208頁

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日本哲学会第74回大会(2015年5月16−17日@上智大学)

(久しぶりの投稿になりますが、、、)

日本哲学会の「学協会シンポジウム:教養教育—その歴史と課題」に、教育思想史学会・教育哲学会を代表する形で発表します。ここ数年、教育学関連諸学会の連携の仕事に携わってきましたが、今回は「教育学」の枠を超えた試みです。貴重な機会を与えていただいた日本哲学会および上智大学教育学科(研究科)に感謝致します。有意義な議論が展開できればよいのですが。

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